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nomutaro

Author:nomutaro
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レンズ;DA 18-55mm F3.5-5.6
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著者;久良田篤志

愛花
花は私たちに安らぎを与えてくれる自然からの贈り物です。そんな花たちに癒し詞を添えての写真集。
 「でじたる書房」より発売中

catblog.gif生ゴミあさりの犯人扱いにされた猫たちは汚名返上のためにない知恵を絞って悪戦苦闘する。果たして濡れ衣をはらすことができるのだろうか。<でじたる書房>

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わたしは「のえ」2 

 私、のえは一週間というもの事務所の片隅の隠処《かくれや》に身を潜め、人目を避けておりました。のえは人一倍用心深く人見知りの激しい性質でして、というよりは臆病者といったほうが的を射ているのかもしれません。
 一年中で最も寒い二月初旬のこの一週間はさすがにのえも堪えました。トイレの場所と餌はご主人が用意してくださっていましたので事欠きはしませんでしたが、辛かったのは寒さです。特に朝方の冷え込みは下の床からもろに私の躰に襲い掛かってきました。でもこれくらいのことに耐えられないようでは猫の世界では生きていけません。三日目位からは人気のない真夜中の事務所を徘徊できるようになりました。これで随分気分的に楽になったのは確かです。
 一週間目にのえは少し冒険をする気になりました。それはご主人が事務所にいる時に隠処から出てみることでした。この隠処はご主人の居るところからは死角になっていて、わざわざ覗きに来ないと見えないところです。昼下がり、のえは注意深く隠処から抜け出し、未知の世界に足を踏み入れたとたん、ガタッと音がしてしまいました。ご主人に気付かれなけれがいいがと祈っておりましたら、ご主人の顔が現れたのです。二人は目を合わしたまま一時、時間が止まってしまいました。次の瞬間、ご主人はのえが隠処に戻るのを恐れて顔を引っ込めてしまいました。のえも急いで隠処を知られまいと身を隠しました。その後すぐご主人はまた覗いてきましたが、のえの姿のないのにがっかりして自分の机に戻っていきました。
 少し暖かくなってきましたのでのえは昼寝をすることに決めこみ、ご主人が事務所に居る間は隠処からは出ませんでした。 翌日の昼下がり、のえは隠処から出ることに再度挑戦し、周囲を観察していました。案の定、ご主人が顔を出してきました。昨日と同じように急いで顔を引っ込めてしまいました。しかし今日ののえは昨日とは違ってご主人がもう一度顔を出すのを待ってみることにしました。のえの期待どおりご主人はお雑魚《じゃこ》を一匹持って現れたのでした。餌でなつけようという魂胆なのでしょう。のえはそれにのってあげることにしました。ご主人が差し出している雑魚にそっと近づいていき、匂いを嗅ぐと一ヶ月ぶりの懐かしく香ばしい匂い。私はとっさに手が出、ご主人の手の甲を爪で掻いてしまいました。驚愕したご主人の手から雑魚が隙間に落ち込んでしまい、どうにもとることができません。それを見たご主人がすぐさまもう一匹雑魚をもってきて、今度は床に直接おきました。ご主人の手の甲に三センチくらい、血がにじんでいました。わたしは床に飛び降り、警戒心を持ちながら食べました。するとまた、ご主人は私から1メートルくらい離れたところに雑魚をおきました。わたしをなるべく事務所の中央におびき寄せようという魂胆、でもその手にはのりません。雑魚を咥えて促促と隠処に引き上げ、ゆっくりと味わって食べました。極楽極楽。
 翌日、ご主人は指の先までワイシャツの袖で隠して雑魚をのえに差し出して来ました。昨日と同じく私は手の爪を立ててみましたが、ご主人は痛がる気配がなく堂々と雑魚を差し出しています。これにはのえも感心させられ、美味しそうに雑魚を食べてやりました。これに気をよくしたご主人は三匹も雑魚を与えてくれました。そのお礼に私は、事務所の中央に思い切って出て行ってやりました。ご主人の喜びようはそれはそれは大変なもので、早速奥様に「のえが出てきた、出てきた」と、声がひっくり返らんばかりに電話を掛け始めたのです。実はご主人同様、のえもとても嬉しゅうございました。
 だって、昼間もこれからは自由に──自由といっても事務所内ですが──行動できるようになったわけですから、いわば私の記念すべき日──これは少し大袈裟でしょうか。


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